岐⾩県地⽅⾃治研究センター

私たちについて

当センターは「地方の時代」が提唱されはじめた1970年代に、議員、学者、自治体職員、労働組合、市民団体などで、地方自治を考える研究組織として設立されました。
これまでに地方自治・公共サービスに関わる数多くの課題の調査研究に取り組んでいるほか、県内外から研究者や自治体首長、市民団体を招いての講演会や地方財政を学ぶセミナーも開催。アンケート調査や現地視察などの活動も行っています。

センター設立趣旨

地方自治が、民主主義の原点といわれ、地方行政の実際も、住民生活に深くかかわり運営されています。
ゆりかごから墓場まで―今日、私たちそこに住むものの生活条件のひとつひとつが、自治体の行政とつながっております。
いわゆる「自治体問題」は、こういう背景で重視されてきましたが、私たち住民にとっての「自治体問題」とは、概念ではなく、生活の現象であり、生の課題であります。
岐阜県の自治―それは、岐阜県民が直面している具体的な課題を、どう考え、どう処理するか、県民がみんなで、それに取り組むことではないでしょうか。
「地方自治は3割」と、悪口されています。国の行政が、地方自治を、行政的にも財政的にも締めつけており、戦後、制度的に確立されたはずの地方自治を形骸化させている現実を指しているわけです。さらに、もう一つの「3割自治」を重視しなければなりません。自治体の行政機関と住民との関係です。そこにも3割、がないといえません。自治体の主人公としての住民の位置が、確立されているでしょうか。
今、岐阜県内の行政に「住民自治」として県民の合意が十分かどうか、問うべきテーマです。先の知事選挙は、汚職、腐敗の県政を県民の手に取り戻すものとして意義づけられました。その政見と主張が争われ、県民に提起されました。厳粛な県民の審判は終わりましたが県政や自治の問題を、私たち県民ひとりひとりが、真正面からみつめた良い機会でした。
今日、私たちが、あらためて地方自治を問い直すことは、日常的な運動として、岐阜県の自治体問題の具体的な課題に取り組むことを意味します。大小さまざまなプロジェクトを、生活とのかかわりでとらえ、みんなで研究する―これが「岐阜県地方自治研究センター」の願いです。これは、多くの階層の、そして多くの県民の参加によって、岐阜県の地方自治発展の"決して小さくない要素」を創り出すと信じます。

自治研ぎふ創刊号/1976年6月1日発行に掲載

理事長挨拶

岐阜県地方自治研究センター

富樫 幸一(岐阜大学)

全国各地に地方自治研究センターはありますが、岐阜県の当センターは、徳島などとともに比較的長い歴史をもっています。
スタートは、中村波男・初代理事長が創立にあたって書かれているように、1970年代末の長良川河口堰問題と県知事選挙にありました。大きな市民運動を背景として地方自治のあり方を、独自の視点から探っていく取組みが続いてきました。
長良川の問題は80年代末の本体着工をめぐって、全国的な公共事業の見直しにつながり、さらには世界的なダム問題ともリンクしていました。河口堰は完成して運用が開始されてしまいましたが、このローカルからナショナルへ、さらにグローバルな動きは、97年の河川環境の保全と住民参加を盛り込んだ「河川法改正」につながります。地域からの問題提起と運動が、国の政策をも変えていったことになるわけです。
続く徳山ダムとその移住者、板取、丹生川などの過疎山村が抱えた問題や、第三セクター化された地方鉄道など、実態調査の報告と問題提起が続きます。 地方分権改革、平成の大合併のように、自治体をめぐる制度も大きく変わり、その中での問題も指摘してきました。介護保険の導入、国民健康保険や地域医療など、生活に密着した問題を取り上げた際は、県民の広範な関心を呼びました。直近の新型コロナ問題と対策もそうで、エッセンシャルな医療・保険体制のあり方が問われています。
県内では御嵩町の産業廃棄物処分場計画は、住民投票によって止められましたが、今度は岐阜市で産廃の不法投棄問題が発覚し、ここでも千葉県などの情報提供を受けて、行政の取組みにも影響を与えることができました。
地域づくりも、国や行政主導のものから、住民の参加、企業やNPOなどとの連携へと大きく変わってきています。地方創生総合戦略の以前から、県内の市町村ではさまざまな地域づくりの取組みが行われてきました。合併によって消滅した町村も多くありますが、こうした住民の取組みは引き継がれてきています。
地域政策はかつての開発主義の時代から、人口減少や財政危機の中で、福祉、医療、教育、男女共同参画、人権など多角的な問題群へとシフトしてきています。今日でいえば、国連のSGsについて、それぞれの地域で取り組むべき課題となっているわけです。
これからも人口減少と高齢化、財政危機など抱えている問題は大きいですが、持続していける自治体、地域社会、コミュニティを目指して、県民とともに研究や政策提言を続けていきましょう。

歴代の理事長


1978年〜1992年 中村 波男(前衆議院議員)
1993年〜1994年 湯川 二郎(岐阜大学名誉教授)
1995年〜2012年 水崎 節文(岐阜大学名誉教授)
2013年〜2018年 高橋 弦 (岐阜大学名誉教授)
2019年〜現在 富樫 幸一(岐阜大学教授)

主な事業内容

  • 1

    地方自治および
    自治体財政に関する調査・研究

  • 2

    住民運動および
    自治体政策に関する調査・研究

  • 3

    刊行物の発行および
    研究会・講演会等の開催

  • 4

    その他目的を達成するに
    必要な事業