岐⾩県地⽅⾃治研究センター
2024年1月17日活動報告

【岐阜大学協力講座⑧】富樫幸一さん(岐阜県地方自治研究センター理事長)から「地域分権―市民活動とちいきづくり」

岐阜大学協力講座の第8回目(12月19日)は当センターの理事長でもあり、岐阜大学名誉教授の富樫幸一さんから「地域分権―市民活動とちいきづくり」について講義をしていただきました。

ブラタモリで岐阜のまちのガイドを務めたこともある理事長の

「まちづくりに答えはないし、結論もないんです、いろいろな方法があるんですよ」という話からスタートし、憲法の中にある地方自治の本旨、岐阜市住民基本条例、地方自治法に触れながら地域自治の解説を受けました。外国では自治会という概念がなく、日本特有のものであり、もとは小学校・中学校をつくるために設けられたというお話もありました。(地域の人たちで地域の子どもたちを守ることが今も受け継がれていることに学生も納得でした。「こども110番の家」取り組みは可児市内のPTAがスタートさせ、全国に広がったそうです)

しかし、住民の高齢化が進み地域の担い手が少なくなっていること、若い世代が地域活動へ参加が少ないことといった理由から自治会の存続が難しくなってきている状況や課題も指摘されました。その一方では、若い人たちが自ら入ってくるまちもあり、生き方やライフスタイルによって住むまちを選ぶという新たな動きも出ているそうです。

先生からは「自分たちのまちは自分たちでつくる」という理念のもと、工夫を凝らして元気なまちづくりを進めている地区をいくつか紹介されました。市民協働、親交的コミュニティ、サードプレイス、ハーバマス論(ドイツ)、ソーシャルキャピタル、といったワードも出てきました。

学生からの質問がいくつも出ました。「先生がまちづくりに取り組んでいる原動力は何ですか?」という問いには「おもしろいから」と笑顔で即答。「先生にとっての地方自治とは?」との問いには「みんなで一緒に楽しいことをする、おもしろいことをする。そのプロセスとしてSNSやまちあるきをしている」と。

「ブラタモリ」では、岐阜の城下町でタモリさんとともに信長時代の痕跡探しをしています。(2017年12月2日放送)