2025年12月9日Report
【2025岐阜大学協力講座⑦】「岐阜市川原町の住民による町並み保存」富樫幸一さん(岐阜県地方自治研究センター理事長・岐阜大学地域科学部名誉教授)
12月2日は当センターの理事長でもあり、岐阜大学地域科学部名誉教授の富樫幸一さんから「岐阜市川原町の住民による町並み保存」をテーマに講義を受けました。
はじめに川原町のある金華・岐阜町の歴史をひもときながら、まちの成り立ちや変遷を学びました。濃尾大震災や空襲には免れたものの、台風で床上浸水の被害を受け、自然災害と向き合いながら住民が暮らしを守ってきた歴史が紹介されました。
>町家が並ぶ歴史あるこの地区にマンション建設が計画されたことを機に、地域住民が主体となって「まちづくり協定」を策定。歴史と文化を大事にし、長良川との共生し、町並みの景観を継承するといった内容を盛り込み「自分たちの手で自分たちのまちを守る」という意識の根幹がここにあると富樫理事長は説明しました。このまちづくりには岐阜大学地域科学部の学生も関わったというエピソードも披露されました。
学生からは「まちの活性化は観光地化を目指し、経済に繋げるものだと思っていたが、川原町は住民が暮らしやすい環境をつくることを目的としていることが印象的だった」「観光を“目的”ではなく“結果”としてついてきたことが分かった」といった感想が多く寄せられました。

次回の講義は12月9日。高山市教育委員会の牛丸岳彦さんを講師に招き「観光都市高山の伝建地区の維持と課題」をテーマにお話しいただきます。
※この川原町のテーマにした研究は自治研センター・岐阜市・岐阜大学協働研究「岐阜市のまちづくりと市民活動」(2023年3月発行)に掲載しています。
